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はちおうじ森のようちえん の ​想い

For children's wellbeing.

子どもたちの幸せ​(ウェルビーイング)のために。

令和時代に求められる 自然体験教育・保育の「森のようちえん」

​〜持続的な幸福(ウェルビーイング)を求めて〜

 現代社会はとてつもないスピードで変化をしています。その中で私たちに必要とされている能力はどのようなものでしょうか。その答えの一つは、「価値を創造する力」です。

 戦後の高度経済成長期(昭和後期)における日本では、社会が急激に発展していく中で、1のものを100にする、特別な能力を必要としない「工業的な人材」が求められていました。そのような社会に追随するように、教育においても、個人の「個性」は必要なく、「右にならえ」の教育が行われ、競争を煽り、偏差値で個人を相対評価することを是とした世の中となっていました。

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 平成に入るとインターネットが普及し、情報化・グローバル化が進みました。SNSを使って個人で情報発信ができるようになり、あらゆる情報を取捨選択し、新しい価値を生み出す力が求められるようなりました。令和になるとコロナ禍で加速したインドア生活により、人間関係は閉塞がちになり、外出の減った子どもたちの興味・関心は、ゲームやYouTubeなどの「画面の向こう側」の世界となりました。その結果、あらゆる「リアル(現実)体験」の経験不足が懸念されるようになりました。

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 体験の中でも「自然体験」がなぜ必要なのでしょうか。それは、自然の中では、視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚の「五感」が最大限に刺激されるからです。五感は、人類が外敵や過酷な自然環境の中で生き抜くために、生まれながらにして備わった感覚であり、正真正銘の「生きる力」と言えます。ところが、「バーチャル(仮想現実)」の世界では視覚と聴覚しか刺激されず、感覚器や脳の発達に偏りが生じてしまいます。

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 また、森や川といった自然環境は、公園の固定遊具や市民プールとは異なり、倒れている大木や急な斜面、水の流れや深さの変化など、場所や天候・四季を通じて表情を変えます。木の葉・枝・実や、草、石などの自然物は、レゴブロックや積み木と違って決して同じ形状のものはなく、その遊び方はまさに「十人十色・千差万別」の遊びを生み出します。さらに、何万年もの月日が生み出した起伏のある大地は、「冒険的」で「挑戦的」な遊びが創り出され、その遊びの中でリスクとハザードを理解し、危険回避能力が身についていきます。

 このように、自然の中にいる子どもは、脳(前頭葉)をフル回転させています。自然遊びを繰り返す中で、脳は鍛えられ、思考力、判断力と共に、創造力すなわち「0(ゼロ)から1を生み出す力」が養われるのです。先の見えない令和時代においては、自然体験の積み重ねにより、価値を創造する力を身につけた人が、幸せで豊かな人生を歩むことができるのです。

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 新渡戸稲造や柳田國男と共に、戦前の教育家として名を馳せた牧口常三郎氏は、その著書「人生地理学」(明治36(1903)年執筆)において、「地を離れて人なく人離れて事無し、人事を論ぜんと欲せばまず地理を審(つまび)らかにせざるべからず」という吉田松陰の言葉を引用し、「慈愛、好意、友誼、親切、真摯、質朴等の高尚なる心情の涵養(かんよう)は、郷里を外にして容易に得べからざることや」と、自然環境が人間形成に及ぼす影響の重要性を訴えました。

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 「慈愛、好意、友誼、親切、真摯、質朴等の高尚なる心情」とは、「読み・書き・そろばん」といった数字で測れるIQの能力とは異なり、家族やお友だち、その他の人との円滑なコミュニケーションにおいて必要とされる、「人に親切で優しく、誠実・真面目で、人を愛し、人から愛される人間性」です。つまり、現代において「非認知能力」と言われる能力そのものです。それは、対立よりも調和、分裂よりも結合、“わたし”よりも“わたしたち”を基調に、人間同士が、また人間と自然とが、共に生き、支え合いながら、共々に繁栄していこうという精神と言えるでしょう。その精神は「持続的幸福(well-being)」を生みます。well-beingは、一般的には幸福・健康・福祉などと訳され、その場限りの一時的な幸せ(happiness)とは別の次元とされています。物や情報が手に入りやすい現代だからこそ、「持続的幸福(well-being)」であることを、私たちは求めています。

自然から学ぶこと、得られることは、人間として生きる上でとても大切なことばかりなのです。

 

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